シルティアの魔術師
タートスは少女が去った後もしばらくその方向を見つめていました。


そして少女の姿が見えなくなってしばらくすると、いきなり私の方を振り返りました。


「………。」


ーそう言えば忘れていました。グリフォンに襲われなかった事に安心して、彼らから隠れる事をすっかり忘れていました。


タートスは、無言で私を見つめます。
私は自分の背中に冷たいものを感じていました。
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