シルティアの魔術師
「…気のせいか。」

タートスはそう小さく呟くと、私から視線を外し、その場から離れていきました。


…どうやら、私は彼には見えていないようです。

安心して半ば好奇心に押されて彼を追いかけようとすると、私の体はまたしても突然強い光に包まれました。


「わっ…!」


当然タートスが私の声に気付く事はなく。

気がつけば私は全く違う場所…王宮の謁見室におりました。
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