シルティアの魔術師
気がつけば、次は夜の空に浮かんでいました。

今の自分に実体がないのは誰の目にも触れない事で自覚していましたが、いざこうして浮かんでみると何とも不思議…というより、怖いものです。


ー周りを見渡すと下方にリドル陛下とエリスが闇の中に微かな光を灯し、歩いていました。
どうやら、トリアンド国からの帰り道のようです。

驚いた事に、供の者はたった5人しかおりませんでした。エリスを含め宮廷魔術師2名と騎士3名のみでした。

現在の国王陛下の他国訪問は最低でも20名の供をつけるようになっているので、それは本当に不思議な光景でした。
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