シルティアの魔術師
ーその瞬間。

「…陛下。」

エリスを覆う空気が一瞬のうちに変わりました。


「お下がりを。野獣の群れです。」


エリスの視線は闇の中を静かに進む野獣の群れを捉えていました。
この辺りで闇夜に活動する野獣は大変獰猛で、群れに出会ってしまえばほぼ生きる道は絶たれると言われております。


エリスが野獣の群れをその眼に確かに捉えると、他のお供の4人も一瞬にして構えました。
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