シルティアの魔術師
その中に、人々の間を静かに前へと進む人影がありました。



それはエリスと…タートスでした。


2人は棺の前に並んで立つと、膝を折り、丁寧にその中へと花を手向けました。


「陛下…。」


エリスが棺を見つめ、かすかな声で呟きます。
その眼から溢れる涙は、まるで止まることを忘れてしまったかのようでした。


タートスは、自分の頬も涙で濡らしながらも、エリスを慰めるようにその手をそっと彼女の背に当てておりました。
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