シルティアの魔術師
「…何かと思えば宮廷魔術師か。この王宮に必要ない者が何をしに来た?」


ブライトン陛下が怪訝そうにエリスを見やります。その口調・態度にはあの日葬儀で見たような余裕は見受けられませんでした。


彼の視線はエリスに向けられながらもその瞳はせわしなく動いており、その姿には、彼の激しい焦りが表れていました。


エリスは彼の前に膝を折り、まっすぐに彼を見つめました。
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