シルティアの魔術師
エリスはゆっくりと立ち上がりました。


「…もう一度申し上げます。私にご用命下さい。何より大切なのは、レオ殿下のお命ではないのですか?」


「っ…!」


「どうか、お願い致します。」


エリスが深々と頭を下げると、陛下は歯を食いしばりながら絞り出すように声を出しました。


「勝手に…するが良い…!」



それを聞き届けると、エリスはもう一度深く頭を深く下げ、謁見室から静かに出ていきました。
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