シルティアの魔術師
「出たわね…クリフォト。」


エリスが右腕を押さえ、押し殺した声で言います。


彼女の視線の先にはさっきの木々とは比べ物にならない程に大きく、妖しげに何色にも光る大木でした。


「…その方を、離しなさい。今すぐに!」


エリスが大木を睨みつけます。
その枝は、10歳ほどの子どもを弦のような形状で巻き付けていました。
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