シルティアの魔術師
「う…ぁっ…!」


子どもが苦しそうに呻きます。
その体は相当強い力で締め付けられているようでした。


「…どうやら、聞き届けてくれるつもりは無いようね。」


エリスが眼で合図を送ると、シルフが先程より大きく激しい旋風を巻き起こしました。


その風によりいくつかの枝が落ちましたが、子どもに絡みついた弦はビクともしません。


風が弱まると、今度は足元の土が大きく隆起してエリス達に襲いかかりました。


彼女達は避けきれず、土の中に埋まってしまいました。
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