シルティアの魔術師
「自然に根づき、生きているあなたなら分かるはずよ。…四精霊を従えた者の恐ろしさが。」


エリスがもう一度、大木を見つめます。
その口調は、まるで語りかけるようでした。


「…最後にもう一度言うわ。レオ殿下を、お放しなさい。」


大木がその枝を大きく振るい、エリス達に襲いかかります。
しかし、その枝は彼女達に届く事はなく、途中で止まりました。


「…確かにあなたは、この3年間で更に強くなった。でも同時に、私も強くなったの。」


枝が止まった場所から、七色の光が溢れ出します。


「…もう、これ以上私の大切な人達を傷つけさせたりしないわ!」
< 62 / 141 >

この作品をシェア

pagetop