シルティアの魔術師
謁見室の扉が大きく開き、外からレオ殿下を抱きかかえたエリスが早足で、玉座へと駆け寄って行きました。


「陛下!殿下のお目が…!早く治療を!」


彼女は殿下を抱きかかえたまま膝を折り、陛下に必死な表情で訴えました。


陛下は一度驚愕の表情を見せながらも意外なほどに落ち着いておりました。


そして、エリスを見据え、ゆっくりと口を開きます。


「…やはり、尻尾を出しおったか…。」
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