シルティアの魔術師
陛下は、チラリと殿下を見やります。


「ここには、全てを証言出来る者がおる。…その者に真実を問おうではないか。」


陛下は玉座から立ち上がり、エリスに抱かれているレオ殿下のもとに進みました。


そして殿下の前に屈むと、その手を握りました。


「我が愛する息子、レオよ…。お前に問おう。お前を傷付けた者が誰か、隠さず申すが良い…。」


レオ殿下が、陛下の声がする方向にゆっくりと振り返ります。


そして、ゆっくりと口を開きます。


「それは…。」
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