シルティアの魔術師
レオ殿下はそこで一旦言葉を切り、一瞬唇を噛みしめてから、続けました。
「…分かりません。気が付いた時には、僕の視力は失われていたので…。」
そう言うと、陛下の方から顔を背けました。
「それが、お前の答えか…。」
それだけ言うと、陛下は殿下から手を放し、玉座へと戻ります。
「私は息子を少々心優しく育て過ぎたようだ。本来慈悲を示すべきでない者にまで慈悲を与えおる。」
陛下は、盛大に溜め息をつきました。
そして再びレオ殿下を見据え、次は恐ろしく低い声で語りかけました。
「…分かりません。気が付いた時には、僕の視力は失われていたので…。」
そう言うと、陛下の方から顔を背けました。
「それが、お前の答えか…。」
それだけ言うと、陛下は殿下から手を放し、玉座へと戻ります。
「私は息子を少々心優しく育て過ぎたようだ。本来慈悲を示すべきでない者にまで慈悲を与えおる。」
陛下は、盛大に溜め息をつきました。
そして再びレオ殿下を見据え、次は恐ろしく低い声で語りかけました。