シルティアの魔術師
「レオよ。今がどのような時か、分かるな…?」


エリスの腕の中のレオ殿下の体がピクリと動きます。


「ー正直に答えよ。お前を傷付けたのは、その魔術師なのであろう?」


レオ殿下の体が僅かに震え出します。

震えた唇が何かを発そうとしましたが、それが言葉になる事はありませんでした。



謁見室内に、沈黙が流れます。
< 73 / 141 >

この作品をシェア

pagetop