シルティアの魔術師
陛下は小さく溜め息をつき、再び冷え切った眼でエリスを見ました。


「…まぁ良い。お前に処分を言い渡す。」


謁見室に、再び緊張に満ちた静寂が広がります。



「ー処刑だ。皆の者、罪人を捕らえよ!」



ー待って下さい!

…私の声が届かないのは、分かっていました。ですが、叫ばずには居られませんでした。


全てを知っているのに、自分はここでは何一つ出来ない…。


ー何度も叫びながら、私は自分の立場を呪いました。
< 76 / 141 >

この作品をシェア

pagetop