シルティアの魔術師
陛下の言葉に従い、騎士達が剣を構えてエリスに近づきます。


エリスは下を向いており、その表情を読み取る事は出来ませんでした。


やがて、騎士達がエリスの元まで辿り着き、彼女を取り囲みます。


ーそして彼らがエリスに剣を向けようとした瞬間。


「…エリス=フリートルの名において、命ずるー。」


エリスが下を向いたまま言葉を発しました。


周りの騎士達が警戒し、構えの体制に入ります。


エリスがその瞬間、俯いていた顔を上げました。


その眼には深い憂いと悲しみの心が溢れていました。
ーそして、その唇が次の言葉を紡ぎます。


「ー出でよ、ホルス…!」
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