シルティアの魔術師
2人の間を一陣の風が通り抜け、彼らのローブをはためかせました。



「どういう…事、ですか?」


タートスが、震える唇でエリスに問います。


エリスは一度眼を伏せ、再びタートスの眼に視線を戻します。



「私…処刑を宣告されたの。恐らく今、追手が私を血眼で探しているわ。」


エリスはそう言うと、商業地区方面にその視線を向けました。
< 82 / 141 >

この作品をシェア

pagetop