シルティアの魔術師
「…逃げましょう、姉上!遠くの国へ!」


タートスの手に、力が篭もります。



「ありがとう。…でも、それは出来ないわ。」


エリスが静かに首を横に振ります。


「…どうしてですか?シルティアに、未練があるのですか?」


タートスが彼女を縋るような瞳で見つめます。


「私と一緒にいたら、あなたも狙われるからよ。」
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