君が好き。～完璧で女嫌いなカレとの恋～

「櫻田もそろそろ仕事に戻れよ」


私の話など聞かず、藤原係長はさっさと戻っていってしまった。

「そんな…」


全然アドバイスされた気分にならないんですけど…。


思い溜め息と共に力が抜け、そのまま椅子へと腰を下ろす。


「どうしたら東野さんの信頼を得られるんだろう」

東野さんに頼られる秘書になりたいのに。


さっきのアドバイスだって全然分からなかったよ…


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「おはよう櫻田さん」


「げっ…あっ！おっ、おはよう！橘さん」


ヤバイヤバイ。
ついつい本音が口に出てしまった。


慌ててごまかしたつもりだったけど、しっかりと橘さんの耳に入ってしまったようで。


「あ～ら！朝からだいぶお口がお下品のようね。さすがは営業部の秘書様だこと！」


朝から嫌みのセリフと共に、隣のロッカーを思いっきり開ける橘さん。


まぁ…今回は私が悪い。口が滑ったとはいえ、顔を見るなり『げっ』って言っちゃったわけだし。


「あっ、そういえばよかったわね。愛しの東野部長の秘書を解雇されなくて」


「えぇ、おかげさまで。…あっ！そういえば橘さん。あなた藤原係長と一体どんな関係なの？」