君が好き。～完璧で女嫌いなカレとの恋～
「えぇっ！？」


昨日のこともあり、ちょっと気になったから聞いただけだというのに、橘さんは予想以上に驚き、そして動揺している様子。


「ふっ、藤原さんが何か言っていたの？」


「えっ…いや、別に。ちょっと気になったのよ。パーティーの日も藤原係長に橘さんの話を聞いたから…。」


「あら…そう」


今度は見るからに落胆した様子。


ふ～ん…これってもしかして…。


「橘さん…あなたもしかして藤原係長のことが好きなの？」


「…なっ！何を言ってるのよ！そっ、そんなわけないでしょ！？」


…怪しい。明らかに怪しい！いつもの橘さんからは予想も出来ないこの動揺っぷり。


もしかして橘さんって本当に藤原係長が好きなの？


「なっ、なによ。人の顔あまり見ないでくれる？」


「あら失礼。…ふ～ん～橘さんが藤原係長を…ねぇ」

「なっ！だから違うって言ってるでしょ！」


「ムキになっているところが怪しいのよね。別に素直に認めればいいじゃない。散々私には詰め寄ってきて。お互い秘密なしでいいんじゃないの」


挑発するように橘さんを見つめると、橘さんは観念したのか深い溜め息を漏らした。
< 103 / 411 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop