君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
するといつの間にか私達は、痛いくらいの注目を浴びていることに気付く。


ヤバッ!そうだった!
ここはホテルのエレベーターホール前だったぁ!


「取り敢えず俺、車で来てるから。話はそこで」


「…はい」


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「おじゃまします…」


東野さんの車を乗るのは二回目で、やっぱり緊張してしまう。


そして向けてしまう視線は東野さんの手。

さっき私の腕を掴んだのに、東野さんは手を消毒もしないし、ハンカチで拭きもしない。


信じられない…。
それともただ単に、忘れているだけ?


「櫻田は何か勘違いをしていないか?」


「…えっ?」


勘違い?


「…わりぃ。煙草吸ってもいい?」


「あっ…はい!」


私の許可を取ったり、煙草を吸う姿といい…。なんで東野さんはこんなにも、私の胸をドキドキさせるのが上手いかなぁ。


東野さんの吐いた煙が、車内中に漂う。


「さっきの続き。俺は櫻田だから秘書にしたんだ。櫻田だからいいって思った。別にお前のことを信用していないわけじゃない」


「東野さん…」


これは夢?


「藤原から聞いた。悪かったよ。ちゃんと言えば良かったな」


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