君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「ふ~ん。そっか。まさに理想の上司ってわけなんだな」


「うん!」


理想の上司であって、理想の男性だよ。


「やっぱり俺の言った通りだろ?菜々子の頑張りはいつか必ず認められるって」

「うん…本当に」


ちょうど洗い物が終わり、二人でそのまま椅子に腰掛けた。


「翔ちゃん、本当にいつもありがとうね」


「なんだよ、急に」


「だっていつも私が辛いとき、翔ちゃんが励ましてくれたでしょ?本当に助かったのよ。…翔ちゃんの言葉に何度も助けられた」


「菜々子…」


私の言葉を聞いて照れ臭そうに頭をかく翔ちゃん。


「これからもさ、また色々甘えちゃうかもしれないけど、その時はよろしくね?」

「…あぁ。勿論だよ」

そう言うと翔ちゃんはまた、いつものように私の頭を乱暴に撫でる。


「ちょっと翔ちゃん!私は子供じゃないわよ」


「なんか俺から見て菜々子は年下にしか思えないんだよな」


「なにそれ。同い年なのに失礼しちゃうわね」

乱暴に翔ちゃんの手を振り払ったのに、翔ちゃんは笑う。

「…翔ちゃんも悩みや困ったことがあったら、いつでも話してね?」


「あぁ。その時は菜々子に甘えるよ」
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