君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
ちょっとちょっとー!
最後の方、妙に嫌味たっぷりに聞こえたんですけど!

内心カチンときたものの、反撃とばかりにあえて平然を装う。


「そういう橘さんこそ愛しの藤原係長とはどうなのかしら?…あっ!ごめんなさいね。大好きな藤原係長と私、毎日同じ部署で顔を合わせて、お茶まで出してあげちゃって!」


「……!!」


お返しとばかりに、嫌味たっぷりに言ってみせると、さすがの橘さんも返す言葉がないといった様子。


してやったり!と心の中でガッツポーズをし、さっさとスケジュールを手帳へと記入する。


「さて!では橘さん、お先に。今日もお互い頑張りましょうね」


「えぇ。そうね。愛想尽かされないように気をつけてね」


「…どうもありがとう」


さっきのことが悔しかったのか、ここぞとばかりにまた橘さんから嫌味の言葉が返ってきた。


秘書課を後にし、大きな溜め息と共にエレベーターへと乗り込む。


「ハーッ…。なんで月曜の朝からこんなに疲れなくちゃいけないのかしら」


橘さんとはいつもこんな感じ。お互い顔を見合わせると、ついつい意地のぶつかり合いになっちゃうのよね。


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