君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
副社長も笑顔で私を見つめる。


「どう?東野君とはうまくいってる?」


「あっ…はい。おかげさまで…」


そりゃもう想像以上に夢のような日々を送らせて頂いております。


「そっか…。じゃあ本当に櫻田さんに秘書を頼んで良かったね」


そう言うと同時に、エレベーターは最上階へと着いた。

「どうぞ」


開閉ボタンを押し、副社長を見つめるがなぜか、副社長はエレベーターを降りずにいた。


「…あの?」


どうして降りないのかしら。

「あのさ、櫻田さん。ここからはプライベートな質問させてもらってもいいかな?」


「えっ…」


プライベート?


「そう。…櫻田さんってさ、恋人はいるの?」


「……えぇ!?」


思いもよらぬ質問に、後ろの壁に頭をぶつけてしまった。


「あぁ―…その反応だといなさそうだね」


うっ…図星でございます。


「はい...」


「じゃあさ、好きな人はいるの?」


『好きな人』その言葉にパッと浮かんだのはやっぱり東野さんだった。


「好きな人。…いるの?」

それはもちろんいる。でもそんな正直に言えるわけないじゃない。


第一なんでそんなことを聞くの?
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