君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
仕事となにか関係があるの?


「…櫻田さん?」


とっとにかく答えなくちゃ!


「すっ、好きな人は…いません」


いるって言ったら、また更に深く追求されちゃいそうだし。


「…そっか。うん、分かった。悪かったね、変なこと聞いてしまって」


「いいえ!」


そう言うと副社長はゆっくりとエレベーターから降りる。


「いやね、あの東野君が櫻田さんとは仲が良いから気になってしまってね。…これで安心してあの話が出来るよ」


「…あの話?」


何?


「あ―…これはまだ秘密だね。ごくろうさま」


そう言うと副社長は外から開閉ボタンを押す。


「あっ…ちょっ!副社長!?」


そんな中途半端なままで、去らないで!気になるじゃない。


そんな私の願いも虚しく、ゆっくりとエレベーターのドアは閉じられた。


「…そんな」


さっきの副社長の質問と一体どんな関係があるって言うの?


気になって仕方ないじゃない。


下の階から呼び出されたようで、エレベーターは下の階へと下がっていく。


東野さんに関してよね?…悪い話じゃなければいいんだけど。



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