君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~

「乙女って…失礼な奴だな」


「え~本当のことじゃない。女の私より全然女らしいし」


「…じゃあ誉め言葉として受け取っておくよ」


コーヒーを飲み干し、またパソコンと向かい合う翔ちゃん。


「翔ちゃんさ―…あのね、来週の月曜から三日間、大阪に出張なんだ」


「大阪?じゃあお土産よろしく」


「あっ、うん。それはもちろん買ってくるよ。あのね、実はその出張には東野さんの付き添いで行くんだ」


「えっ…」


私の話に驚いたのか、キーを打つ手が止まる。


「付き添いって…一緒にってことか?」


「あっ、当たり前じゃない!一緒によ」


「そうか。良かったじゃん」


「うん!あっ、お土産楽しみにしててね」


「あぁ。…じゃあ菜々子、悪いけど仕事早く片付けたいから」


「あっ、邪魔しちゃってごめん!…頑張ってね」


「はいよ」


手を振り、部屋をあとにする。


「本当はもうちょっと翔ちゃんと話していたかったんだけどな」


珍しいな。いつもだったら話聞いてくれたのに―…。


でも仕事してたし、仕方ないよね。


「明日も仕事だし、もう寝よう…」


< 136 / 411 >

この作品をシェア

pagetop