君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~

「好きな人、ねぇ…」


残りのビールを飲み干し、男らしく缶を握り潰す。


「逆に菜々子に聞きてぇくらいだよ。どうやったら好きな人ができるわけ?」


「どうやったらって…自然に、じゃないの?」


「ふ~ん…。悪いけど私には全然分からないね。恋愛なんてしたことねぇし」


「……えぇー!?今まで一度も!?」


「あぁ」


驚く私とは違い、桜子はもう一本の缶ビールを開け口に含む。


「一度もって…私達もう27歳だよ!?本当に?」


「しつけーな。だからさっきからそうだって言ってんだろ?」


驚いた。確かに今まで桜子とはそんな話をしたことないなって思ってはいたけど。まさか初恋もまだだったなんて。


「つーかさ、別に恋愛なんてしなくても生きていけんじゃん。興味なし。それに男に依存したり頼ったりしたくねぇし」


「桜子…」


「まぁ…菜々子の話を聞いてると、恋愛も楽しいんじゃねぇかって思ったりもすっけどさ。でも別にしたいと思えねぇ。まっ!菜々子は楽しそうだし、見てる方は見てる方で楽しいしな。これからも頑張れよ」


「楽しいって…こっちは必死なのよ?」
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