君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「その前に話の内容が全然見えないんですけど…」


みんなは何の話をしているわけ?


「櫻田さんってば何とぼけてるんですか!一時は藤原係長と噂があったのに、今は東野部長と噂があって、さらにそんな東野部長と堂々とデートと言う名の三日間の出張じゃないすか!」

「なっ…なんなのよそれ!」




「しかしなぁ…あんな女嫌いの東野さんが仕事といえ、女の櫻田と二人で婚前旅行とはな…。いまだに信じらんねぇ」


「バカ言え!それを言うなら藤原係長だろ。クールで女を寄せ付けない藤原係長が、櫻田と笑顔でお茶してたって言うじゃねぇか。俺はこっちの方が信じらんねぇよ」


ちょっとちょっとー!
なんだか話の内容が膨れ上がってません?


「ちょっと皆さん…」


「「で!!どっちが本命なんだ!?」」


「………」


男のくせに、まるで女みたいな好奇心旺盛な目をしちゃって。
そんなに噂が気になるの?

なんだか説明するのも面倒になってしまい、ついつい漏れてしまった大きな溜め息。


「だからですね、皆さん…」


取り敢えず、藤原係長との噂だけは橘さんの手前、広めて欲しくなくて、そっちから説明しようとした時、
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