君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「おい。お前らもう就業時間始まってるぞ」


「「藤原さん!」」


突如、私の後ろから現れた藤原さんにみんな慌て出す。

「それになんだ。みんなして櫻田を取り囲んで。男のくせにイジメか?」


「ちっ、違いますよ!ただちょっと櫻田さんに聞きたいことがありまして…なぁ?」


「あっ、あぁ。まぁ、また後ででも、な」


藤原さんの登場に、みんなさっきまでの態度が一変し、そそくさと何事もなかったかのように自分の席へと戻って行った。


「全く!あいつら男のくせに噂話が大好きなんだからな」


「えっ…藤原さん、さっきの話、聞こえてたんですか?」


「当たり前。つーか廊下の方まであいつらの声が響いてたしな」


そう言うと、藤原さんは私の肩を軽く叩き自分の席へと向かう。


「櫻田。コーヒー頼む」


「あっ…はい!」


藤原さんは別に噂のことなんて気にしてないのかな?

変な話、橘さんと藤原さんは今はどんな関係なんだろう。


まぁ…。橘さんは私の気持ちを知ってるって分かってるから、変な弁解はいらないだろうけどさ。

でもね、藤原さん。やっぱり好きな人が自分以外の女と噂があるって辛い事ですよ。

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