君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
隈?確かに昨日はあまりに緊張しすぎて眠れなかったけど。
そんなに酷いかしら?一応メイクでカバーしたつもりなんだけどな。
「悪いが化粧で隠してるつもりかもしれないが、バレバレだ。そんな顔で取引先に出るつもりか?」
「そっ、それは...。ダメです」
うっ!東野さんにはメイクで隠すという女の事情も通じないのね。
「分かっているなら寝ろ。俺も寝るから」
そう言うと東野さんは窓に寄り掛かり眠りについた。
早っ!!東野さんってすぐに寝られる方なんですね!
いやいや、それよりもこんなに間近で寝顔なんて見せられたら寝られるわけないじゃない。
隣で寝ている東野さんの寝顔をまじまじと見つめる。
本当に熟睡しちゃってる。...きっと疲れているのよね。だってあんなに毎日働いているんだもの。
「仕事、頑張ってる東野さんは素敵ですけど、あまり頑張りすぎて身体を壊さないで下さい...ね?」
寝ている東野さんにそっと囁く。
いくら寝ているとはいえ、私ってばなんて大胆な発言を!
顔が熱くなる。
ダメダメ!もう恥ずかしすぎるから寝てしまおう!
そう思い、目を瞑ると睡魔が襲い、いつの間にか私も眠りについてしまっていた。