君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「あぁ。どうやら副社長にハメられたようだ」


ハメられた?


「おかしいとは思っていたんだ。でもまさか副社長に限ってそんなはずないとは思っていたんだが...」


困ったように頭を掻く東野さん。

えぇと...。一体副社長になんて言われたのかしら。


「あの、東野さん?」


そう思い、東野さんに事情を聞こうとした時、


「櫻田。一緒に観光でもするか?」


「えっ...えぇー!?」


かっ、観光!?
私が東野さんと二人で!?


「副社長から伝言。たまにはゆっくり休めと。こういう機会でもない限り、行けない所なんだから、ゆっくりと明後日まで観光して来い。櫻田と」


「なっ、なんですかそれ!」


副社長ってば一体何を考えているのよ!
第一東野さんが仕事を放って観光なんてするわけないじゃない。


「櫻田は大阪や京都には来たことあるか?」



大阪や京都か。そういえば来たのは
二回目だな。


「来たのは二回目です。前に来たのは確か高校の修学旅行以来です」


「そうか...」


東野さん?


何やら考え込んでいる様子。

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