君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
気付けばもう東野さんの姿は見えず。


「たまにはゆっくり買い物でもしようかな」


せっかくの機会だし。そう思い、私もゆっくりと歩き出した。


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――――――


「あっ、ここも入ってるんだ」


あれから何時間過ぎただろうか。
意外にも色々なショップが出店しており、久々の買い物を満喫していた。


「この服可愛いな」


そういえば東野さんはもう買い物終わったのかしら?
いや、終わったに決まってるわよね。行動が早そうよね。
東野さんは一体普段はどんな服を着ているのかしら。明日が楽しみ!


「...って!!ちょっと待って!」


私ってば何を呑気にウインドウショッピングを楽しんでいたのかしら!こんな場合じゃないわ!
東野さんの横を歩いても恥ずかしくないような服を探さなくちゃ!


「やっぱり当たり障りないワンピース?」


おもむろに近くにあったフリルのついたワンピースを手に取り、鏡の前で合わせる。


「どうかな?」


「ダメだろ」


突然鏡の中東野さんが現れ、驚いてしまった。


「似合わないだろ。若作りしすぎだ」


えぇ!?ちょっと東野さん!かなり失礼な発言じゃないですか!?


「ほっ、放っておいて下さい!若作りと言われようと自分が着たいから着るんです!」


流石の私も今の発言には頭に来たわ!


「バカだな、櫻田は。櫻田なら...」


そう言うと東野さんは違うショップへと行ってしまった 。
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