君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
そんな東野さんの言葉に顔に熱が帯びる。


ヤバイ。絶対今の私、顔が真っ赤だよ。

東野さんの顔がまともに見られない。


「天気もいいし、行くか」


「はい」


...この日は東野さんと大阪に行って、お好み焼きやたこ焼きを食べて、色々回って。最後に行きたい所って言われて行ったのはユニバーサルスタジオジャパンで。
あの東野さんがアトラクションに乗ってはしゃいで、笑って...。
沢山食べて、色々な話をして...。
夢のような時間だった。


園内ですれ違うカップルとは違って、手を繋いだり、腕を組んだりとかそんな行為は一切なかったけど、でもね。きっと私達の関係を知らないすれ違う人達は、私と東野さん。恋人同士に写ってる...よね?


「あー...久し振りだ。こんなに遊んだのは」


「そうなんですか?」


せっかくだから、と夜のパレードを二人で見ていたときのこと。


「あぁ。いつも仕事だったからな。仕事人間だよ。まぁ、仕事自体が好きだからな」


そう言って笑う東野さんは、パレードの夜景より私には輝いて見えて、ドキドキが止まらなかった。

そんな私に気づかれたくなくて、私は平然を装う。


「じゃ、じゃあ今日は良かったですね。たまには休むことも大切ですよ?」


「...そうだな」


一瞬なぜか驚いた表情をしたが、また東野さんは優しく笑いかけてくれる。


その笑顔に私の胸はより一層ドキドキした。

本当に困る。

東野さんの一つ一つの仕草や言葉にドキドキして期待せずにはいられない。


――――――――――

――――――


結局、観光したのは1日だけで、今日までの出張は切り上げて帰ってきた。


家に着いた今もまだドキドキが止まらない。


東野さんが大好きで、大好きで...。


「早く会いたい...」

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