君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「櫻田さん!」


「ごめんなさい。つい」


「なにがついよ。本当に失礼ね」


怒りながら残りのオムライスを口に含む橘さん。



ちょっと笑いすぎちゃったかな?
でも嬉しかったのは本当。


「橘さん、ありがとうね」


「な、なによ急に。櫻田さんが私にお礼の言葉を言うなんて気持ち悪いわね」


「そっちこそ失礼ね!本当に嬉しかったからお礼を言っただけよ。悪い?」


「別に誰も悪いなんて言っていないわ」


なんで橘さんと話すといつもこんな風に喧嘩腰になっちゃうのかしら。

でも、不思議と悪い気持ちにはならないのよね。

...これが案外良い関係を築いているのかしら。



「そんなわけで櫻田さん。ここはもちろん櫻田さんの奢りでいいのよね?ごちそうさま」


「ちょっと!」


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「アハハハ!橘さんいいキャラしてるじゃん!」


「ちょっと翔ちゃん。笑い事じゃないわ。本当に奢らされたのよ。しかも橘さんたら一番高いランチだったし」


「でも菜々子を心配してランチに誘ってくれたんだろ?いいとこあるじゃん」


「そうだけど。給料日前の私には痛かったわ」


仕事から帰ると、翔ちゃんが先に帰宅していて、主夫の翔ちゃんは早々と夕食の準備をしてくれていて、二人仲良く団欒しながら夕食を共にしていた。

出張前、少し様子がおかしいと思っていたけど、今のところ、いつも通りの翔ちゃんで安心した。


「話は戻るけどさ、お見合いって言っても付き合いだろ?橘さんの言う通り、気にすることないんじゃないか?」
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