君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
そりゃ響き渡りましたよ。


私の驚きのあまりの叫び声が会社中に…


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「ハァ、ハァ…もう!ヒールが邪魔!」


階段を掛け降り、何度も転げそうになる。


早くしないと帰っちゃうじゃない!


もう周りの目なんて気にしてられない!


素早くパンプスを脱ぎ、裸足のまま階段を掛け降り、そのままエントラスへと向かう。


退社時刻を過ぎていた為、沢山の社員が私へと視線を集める。


『あんな東野君、初めて見たわ…まぁ、バレるかもしれないから言っちゃうけど、あなたをベッドに降ろした後、すぐに消毒してたけどね』


まぁ…最後の言葉は置いといて…


それでも嬉しいって思えてしまう私はおかしいのだろうか…?


私をベッドに降ろした後すぐに消毒作業を行った彼に対して、お礼が言いたいって思う私はおかしいのだろうか…?


うん…


おかしいのかもしれない。


だけどそんなの気にしない。

だって私は今、ただ彼にお礼がしたくて…

ううん…違う

ただ、彼に会いたいんだ。

だからこんなにも必死になって彼を探しているんだと思うの。
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