君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
昨日から悪い妄想ばかりしてしまっている。

どうしてもいい方向へなんて考えられないのよ。

だってそうでしょ?好きな人がお見合いするのよ?それだけで堪らなく嫌な気持ちになってしまうわ。


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「櫻田!」


「はい!」


「ちょっとお茶しに行こうぜ?」


「...お断りします」


だんだん分かってきたわよ。この藤原係長の笑顔の裏には何かあるって。


「なんでだよ。東野も今、来客中だし。たまには休息も必要だぞ?」


「ただの休息なら大歓迎ですけど!どうせ違うんじゃないですか?それならお断りします 」


また色々と聞かれるのはごめんだわ。今はただ仕事に集中してお見合いのことは忘れたいのに。


「なんだよ、つれないな。お見合いの情報を教えてやろうとしたのに」


「えっ?情報って?」


「それはここでは言えないな」


そんなこと言われたら...。



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「はい、どうぞ」


「ごちそうさまです」


藤原係長と休憩となると、いつもと変わらぬ席に座り、奢ってもらったカフェオレを口に含む。


「あの。それでその情報って?」


相手が誰なのかとか知っているのかしら?

そう思うと変に緊張してしまう。


「あぁ。情報ね」


「はい」


なぜか焦らすかのように藤原係長はコーヒーを飲むばかりで、一向に話そうとしない。



「あの!いい加減教えてもらってもいいですか?」



「いや、話すもなにも、俺なにも知らないし」


「えっ!?」


ちょっと待ってよ!
じゃあ嘘をつかれたってこと?





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