君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「それで?何かあったのか?」


「えっと...」


どうしよう。なんて言えばいいの!?普通に聞いてもいいのかしら?
聞いても私の気持ちバレない?東野さん、変に思わないかしら。


「櫻田?」


頭の中で色々な思いが駆け巡る。


えぇい!どうにでもなれよ!気になるものは聞いてしまえよ!


「あの!おっ、お見合いする方はどんな方なんですか?」


「あー...」


聞いてしまったわ。うぅ。東野さんの言葉が怖い。


「悪いけど、副社長に相手の写真やらプロフィールもらったけど、一切見てないから知らないんだ」


「えっ?」


「別に相手が誰だろうと断るつもりだから。だから見る必要もないし、時間の無駄だからな」


むっ、無駄っ!?


「はぁ...」


「そんなことより悪いが明後日の夜は空いてるか?」


「あっ、はい。特に予定はありません」


「ならよかった。悪いが接待なんだが付き合ってもらってもいいか?」


「私でよければ...」


「頼む」


同時に東野さんのケータイが鳴り、席を立つ。


接待を一緒になんて初めてだわ。

そもそも田所部長の一件以来、女の私には無縁の仕事だったし...。
私が同席しても大丈夫なのかしら。

でも、東野さんのお見合いに対する気持ちを聞けてよかったわ。

最初から断るつもりって東野さん本人が言っていたんだもの。私は安心しちゃっていいのよね?



ーーーーーーー

ーーーー

ーー


「悪い櫻田。待たせたな」


「いいえ。お疲れ様です。今日はよろしくお願いします」


「いや、悪いがよろしくな」


車の鍵を開けてもらい、いつものように助手席に乗り込む。


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