君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「だからってそんなに大きな声を出さなくてもいいじゃんか。朝飯もらうよ」
ふて腐れながら桜子はリビングへと向かった。
「...悪い。最初に言えば良かったな。桜子の言う通り、菜々子を送ってくれたのは、東野さんだよ」
「そっか...。わっ、私さ、東野さんに失礼なことしたり、言ったりしてなかった!?東野さん呆れてなかった?」
せっかく少しずつだけど、以前に比べたら東野さんとの距離が縮まってきたところなのにー...。
「いや、とくには。菜々子、ずっと寝てたから...」
「そっか」
取り敢えず良かったわ。
「あっ!翔ちゃん桜子が来ちゃったから聞けなかったけど、さっき何て言ったの?」
気になる。
「あー...いや、本当に大したことじゃないから。それよりまだ寝てた方がいいんじゃないか?今日休みでよかったな。ほら、早く部屋に」
「えっ!わっ!ちょっと翔ちゃん!?」
背中をグイグイと押され、部屋へと押し込められたてしまった。
「ゆっくり休めよ」
そう言うと翔ちゃんは部屋のドアを閉めた。
「もう!一体なんなのよ」
優しかったり、さっきみたいな態度だったり!!
フラフラとベッドへと倒れこむ。
「なんだか最近の翔ちゃん、変なのよね」
いつからだったかしら?
考えるものの、頭痛には勝てず。
「ダメだ!取り敢えず寝よう」
二日酔いが取れてから。そう思い、私は眠りについた 。