君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
そっと櫻田の耳元で囁く。
だけどそんな俺の囁きなど、きっと櫻田の耳には伝わってなどおらず、変わらず気持ち良さそうに眠っていた。
しばし、そんな櫻田の寝顔を見つめていると、藤原からメールが入る。
メールボックスを開いて見てみると、櫻田の家は都内で、ここからそれほど遠くない場所だった。
ナビに住所を入力し、車を発進させる。
...そういえば櫻田は実家暮らしなのだろうか?
そうだったら、気まずいな。誤ったとはいえ、こんなになるまで酔わせてしまったのだから。
一抹の不安を抱きながらも、櫻田の家へと向かった。
ーーーーーー
ーー
「...ここか」
ナビ通りに向かい、たどり着いた先は、意外にも高層マンション。
一人暮らしだったら、アパートだろうと想像していたから、緊張が増す。
部屋に行ったら、両親がいることを想定しながら、櫻田を抱き抱えエントランスへ向かう。
セキュリティがしっかりしており、櫻田が住んでいる部屋の番号を押すと、インターホン越しに声が聞こえてきた。
『...はい 』
カメラ越しにこちらを見ているんだろう。
声の主は、怪訝そうに返事をした。
「夜分にすみません。東野と申します。こちらの不注意で菜々子さんを酔わせてしまい、送らせて頂きました」
『えっ...菜々子が?すみません、すぐに行きます』
「お願いします」
声色からすると、櫻田の兄貴だろうか?
父親ではないことに、緊張の糸がほぐれる。
少しして、一人の男性が慌ててエレベーターから降りやってきた。
「すみませんでした。送って頂いて」
「あっ...いいえ」
思わず目の前の男性を見つめてしまった。
どう見ても失礼ながら櫻田と似ておらず、何より若い。
弟かもしれないとも思ったが、さっき『菜々子』と呼び捨てだったから、その線は薄い。
そんなことを考えながらも、ジッと見ていたためか、男も俺の視線に気付き、口を開いた。
「すみません、申し遅れました。最上翔太といいます。菜々子とは昔からの幼馴染みで、ルームメートなので」
「あっ、そうだったんですか。失礼しました」
きっと俺がジッと見てしまったから、不快に思ってしまったんだろう。
「...東野さんのことは、菜々子から聞いてます。いつも菜々子がお世話になってるみたいですみません」
「いいえ...」
だけどそんな俺の囁きなど、きっと櫻田の耳には伝わってなどおらず、変わらず気持ち良さそうに眠っていた。
しばし、そんな櫻田の寝顔を見つめていると、藤原からメールが入る。
メールボックスを開いて見てみると、櫻田の家は都内で、ここからそれほど遠くない場所だった。
ナビに住所を入力し、車を発進させる。
...そういえば櫻田は実家暮らしなのだろうか?
そうだったら、気まずいな。誤ったとはいえ、こんなになるまで酔わせてしまったのだから。
一抹の不安を抱きながらも、櫻田の家へと向かった。
ーーーーーー
ーー
「...ここか」
ナビ通りに向かい、たどり着いた先は、意外にも高層マンション。
一人暮らしだったら、アパートだろうと想像していたから、緊張が増す。
部屋に行ったら、両親がいることを想定しながら、櫻田を抱き抱えエントランスへ向かう。
セキュリティがしっかりしており、櫻田が住んでいる部屋の番号を押すと、インターホン越しに声が聞こえてきた。
『...はい 』
カメラ越しにこちらを見ているんだろう。
声の主は、怪訝そうに返事をした。
「夜分にすみません。東野と申します。こちらの不注意で菜々子さんを酔わせてしまい、送らせて頂きました」
『えっ...菜々子が?すみません、すぐに行きます』
「お願いします」
声色からすると、櫻田の兄貴だろうか?
父親ではないことに、緊張の糸がほぐれる。
少しして、一人の男性が慌ててエレベーターから降りやってきた。
「すみませんでした。送って頂いて」
「あっ...いいえ」
思わず目の前の男性を見つめてしまった。
どう見ても失礼ながら櫻田と似ておらず、何より若い。
弟かもしれないとも思ったが、さっき『菜々子』と呼び捨てだったから、その線は薄い。
そんなことを考えながらも、ジッと見ていたためか、男も俺の視線に気付き、口を開いた。
「すみません、申し遅れました。最上翔太といいます。菜々子とは昔からの幼馴染みで、ルームメートなので」
「あっ、そうだったんですか。失礼しました」
きっと俺がジッと見てしまったから、不快に思ってしまったんだろう。
「...東野さんのことは、菜々子から聞いてます。いつも菜々子がお世話になってるみたいですみません」
「いいえ...」