君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「...あれ?東野しゃん」
そう言うと、櫻田は俺を見てまるで子供みたいに笑う。
「なんらか温かいと思ってました」
そう言いながら、櫻田は俺の胸元に顔を埋めてきた。
「あったかい...」
そんな彼女の行為に、俺はどうすることもできず。
「また寝ます」
「菜々子!寝るな。東野さんの迷惑だろ?早く家に帰るぞ」
「えぇ~」
「えぇ、じゃない!桜子も心配してたぞ」
「...分かったよぉ」
桜子?
彼と同じルームメートだろうか?
そんなことを考えていると、いつの間にか櫻田は彼の腕の中へ移ろうとしていた。
「翔ちゃん、抱っこしてくらさい!」
「はいはい」
あっさりと俺の元から彼の元へと移る櫻田。
「よっと、」
名残惜しさを感じながら、彼に俺と同じように抱き抱えられる櫻田を見つめてしまった。
「それじゃ、本当にありがとうございました。今後はこんなことしないよう、菜々子によく言い聞かせますので」
「いや、別に...」
「失礼します」
俺の話など聞かずに、彼は櫻田と共にエレベーターに乗り込み、行ってしまった。
なんだ、最後のあのセリフは。
あれじゃまるで櫻田は俺のものだと言ってるようなものじゃないか。
つい怒りを拳に詰め込むように、握り締める。
「気に食わねぇ...」
しばらくの間、俺はこの場から動けずにいた。
ーーーーーー
ーーー
この日は家に戻ってからも、イライラが収まることはなく、週末の金曜日で疲れが溜まっているはずなのに、一睡も出来なかった。
頭の中に彼の言葉が何度も巡りめぐっていく。
またそれと同時に、櫻田の仕草や言葉が蘇り、イライラしたり、どうしようもない気持ちになったり。
そんなことを繰り返していると、時間なんてあっという間に過ぎていき、気付くと太陽が昇っていた。
時計を見ると、七時を少し過ぎたところ。
「もうこんな時間なのか」
グッと身体を伸ばし、起き上がる。
一睡もしていないためか頭が重い。
とりあえず、いつものように珈琲を淹れようと思い、キッチンへと向かう。
豆から淹れた珈琲の香りに朝から、いつもホッとさせられる。
そう言うと、櫻田は俺を見てまるで子供みたいに笑う。
「なんらか温かいと思ってました」
そう言いながら、櫻田は俺の胸元に顔を埋めてきた。
「あったかい...」
そんな彼女の行為に、俺はどうすることもできず。
「また寝ます」
「菜々子!寝るな。東野さんの迷惑だろ?早く家に帰るぞ」
「えぇ~」
「えぇ、じゃない!桜子も心配してたぞ」
「...分かったよぉ」
桜子?
彼と同じルームメートだろうか?
そんなことを考えていると、いつの間にか櫻田は彼の腕の中へ移ろうとしていた。
「翔ちゃん、抱っこしてくらさい!」
「はいはい」
あっさりと俺の元から彼の元へと移る櫻田。
「よっと、」
名残惜しさを感じながら、彼に俺と同じように抱き抱えられる櫻田を見つめてしまった。
「それじゃ、本当にありがとうございました。今後はこんなことしないよう、菜々子によく言い聞かせますので」
「いや、別に...」
「失礼します」
俺の話など聞かずに、彼は櫻田と共にエレベーターに乗り込み、行ってしまった。
なんだ、最後のあのセリフは。
あれじゃまるで櫻田は俺のものだと言ってるようなものじゃないか。
つい怒りを拳に詰め込むように、握り締める。
「気に食わねぇ...」
しばらくの間、俺はこの場から動けずにいた。
ーーーーーー
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この日は家に戻ってからも、イライラが収まることはなく、週末の金曜日で疲れが溜まっているはずなのに、一睡も出来なかった。
頭の中に彼の言葉が何度も巡りめぐっていく。
またそれと同時に、櫻田の仕草や言葉が蘇り、イライラしたり、どうしようもない気持ちになったり。
そんなことを繰り返していると、時間なんてあっという間に過ぎていき、気付くと太陽が昇っていた。
時計を見ると、七時を少し過ぎたところ。
「もうこんな時間なのか」
グッと身体を伸ばし、起き上がる。
一睡もしていないためか頭が重い。
とりあえず、いつものように珈琲を淹れようと思い、キッチンへと向かう。
豆から淹れた珈琲の香りに朝から、いつもホッとさせられる。