君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「...そんなに深くはないな。良かった」
そっと口元から私の指を離し、安心した表情を浮かべる翔ちゃんに、なんとも言えない気持ちになってしまった。
「待ってろ。今絆創膏持ってくるから。そこは俺が片付けるから触るなよ」
「...ごめんね」
やだ...。顔が上げられない。
「気にすんなよ、こんなことで」
そう言って顔を上げない私の頭をいつものように撫でる翔ちゃん。
「待ってろよ」
立ち上がり、絆創膏を取りに行った翔ちゃん。
自然と私の手はさっき翔ちゃんが触れた頭へといく。
「...答えが分かっちゃった」
私達は幼馴染み。
それに対しては何の疑問も持たない。
だけど、私気づいちゃったんだ。
二日酔いの日に感じた気持ち。
そして今さっき気付いた気持ち...。
翔ちゃんは幼馴染み。
だけど桜子とは違う。翔ちゃんは男の人なんだ。
「菜々子ほら、手を出せ」
「うん...」
絆創膏を指にそっと貼ってくれた。
「後は俺がやるから。菜々子はテレビでも見ていたら?ちょうど菜々子の好きなドラマが始まる時間だろ?」
「そうだったね。じゃあ翔ちゃんにお願いしちゃうね」
「あぁ」
足早に台所を離れ、リビングのソファーに腰かけた。
そして直ぐ様テレビをつけ、音量を上げる。
私の心臓の音が翔ちゃんに聞かれないように。
タイミングよくドラマが始まる。
視線はテレビだけど内容が全然頭に入ってこない。
「なんで今更...」
27年間、こんな気持ちになんてならなかったのに。
急に体調悪いからってお姫様だっこしてくれたり、今までだったら頭なんて髪の毛がぐちゃぐちゃになるくらい乱暴に撫でるくせに、あんな優しく撫でるから...。
今までとは違う表情を見せるから...。
嫌でも感じちゃうじゃない。
私とは性別が違う男の人なんだって。
ーーーーーーー
ーーーー
「...よし!!」
次の日、いつものように起きて身仕度を整え、鏡の前で自分に気合いを入れる。
普通に普通に!
別に翔ちゃんは男だからって、私達が幼馴染みってことには、変わりないし、お互いそう思ってるんだし。
逆に私が態度変えたら変よね!
そう自分に言い聞かせ部屋を出て、リビングへと向かう。
「おはよう」
「おはよう菜々子」
「あー...はよ」
翔ちゃんは朝御飯を作ってくれていて、桜子は二日酔いなのかソファーに横になっていた。
桜子がいてくれて、ホッとした。
そっと口元から私の指を離し、安心した表情を浮かべる翔ちゃんに、なんとも言えない気持ちになってしまった。
「待ってろ。今絆創膏持ってくるから。そこは俺が片付けるから触るなよ」
「...ごめんね」
やだ...。顔が上げられない。
「気にすんなよ、こんなことで」
そう言って顔を上げない私の頭をいつものように撫でる翔ちゃん。
「待ってろよ」
立ち上がり、絆創膏を取りに行った翔ちゃん。
自然と私の手はさっき翔ちゃんが触れた頭へといく。
「...答えが分かっちゃった」
私達は幼馴染み。
それに対しては何の疑問も持たない。
だけど、私気づいちゃったんだ。
二日酔いの日に感じた気持ち。
そして今さっき気付いた気持ち...。
翔ちゃんは幼馴染み。
だけど桜子とは違う。翔ちゃんは男の人なんだ。
「菜々子ほら、手を出せ」
「うん...」
絆創膏を指にそっと貼ってくれた。
「後は俺がやるから。菜々子はテレビでも見ていたら?ちょうど菜々子の好きなドラマが始まる時間だろ?」
「そうだったね。じゃあ翔ちゃんにお願いしちゃうね」
「あぁ」
足早に台所を離れ、リビングのソファーに腰かけた。
そして直ぐ様テレビをつけ、音量を上げる。
私の心臓の音が翔ちゃんに聞かれないように。
タイミングよくドラマが始まる。
視線はテレビだけど内容が全然頭に入ってこない。
「なんで今更...」
27年間、こんな気持ちになんてならなかったのに。
急に体調悪いからってお姫様だっこしてくれたり、今までだったら頭なんて髪の毛がぐちゃぐちゃになるくらい乱暴に撫でるくせに、あんな優しく撫でるから...。
今までとは違う表情を見せるから...。
嫌でも感じちゃうじゃない。
私とは性別が違う男の人なんだって。
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「...よし!!」
次の日、いつものように起きて身仕度を整え、鏡の前で自分に気合いを入れる。
普通に普通に!
別に翔ちゃんは男だからって、私達が幼馴染みってことには、変わりないし、お互いそう思ってるんだし。
逆に私が態度変えたら変よね!
そう自分に言い聞かせ部屋を出て、リビングへと向かう。
「おはよう」
「おはよう菜々子」
「あー...はよ」
翔ちゃんは朝御飯を作ってくれていて、桜子は二日酔いなのかソファーに横になっていた。
桜子がいてくれて、ホッとした。