君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
ズバズバと言う桜子に翔ちゃんの鋭い突っ込みが入る。

「いってぇなぁ!翔太なにすんだよ!」


「桜子が無神経だからだろ!?…友達なら応援してやれよ。菜々子は菜々子なりに頑張ってんじゃん。第一、家事や料理なんて覚えようと思えば覚えられんだよ。…菜々子、俺ならいつでも協力してやるから、な?家事や料理って意外に楽しいんだぜ?」


「……やだ。無理」


楽しいだなんて思えないよ。

「あっそ。なら知らねぇ」

さっきまでの翔ちゃんから一変。


私と桜子が飲んでいたお酒を抱え、キッチンへとってしまった。


「あぁ~!私の芋焼酎~」


「バカ菜々子!てめぇが余計なことを言うからだろ!?翔太!ワイン返せ!」


「2人共飲み過ぎなんだよ!少しは禁酒生活送れ」



確かに翔ちゃんの言う通りなんだよね。


うちには立派な主夫がいる。
いくらでも教えてもらえるのに…


ダメなんだよね。

私には、才能がないのよ。

料理なんてした日には火事を起こかねないしさ。

掃除したら余計に汚しそうだしさ。

やってはみたけど、ダメなんだよ。


努力はしたけどダメなの。


……なんて言葉は言い訳なのかもしれないけどね。
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