君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
だけど、その先の言葉を聞くのがなぜか怖かった。
「私、自意識過剰だよね...」
学生時代もそれなりに恋愛してきた。
だからどうしても意識しちゃう。
もしかして翔ちゃんは、私のことが好き...なんじゃないかって。
ーーーーーー
ーーー
「おはよう櫻田さん。今年もよろしくね」
「えっ、えぇ」
昨日の夜、あまり眠れず。寝不足でせめてバスの中だけでも寝てようと思ったのに...。
なんでバスの中まで橘さんと隣の席なのかなぁ。
「ちょっと櫻田さんてば、私の話を聞いてる?」
「聞いてるわよ」
結局片道数時間、橘さんの藤原さん
への熱い想いをひたすら聞かされていた。
ーーーーーーー
ーーーー
「着いたー」
バスを降りると、聞こえてくる波の音と磯の香り。
毎年違うところへ行ってるけど、今年は熱海。
夏のこの時期、沢山の観光客で溢れていた。
やっと橘さんの隣から離れられた解放感に、両手を上げて身体をグッと伸ばす。
「櫻田さん!早く荷物を部屋へと運ぶわよ」
「...はーい」
そうだった。
部屋も一緒だったのよね。
何度目か分からない溜め息を漏らしつつ、荷物片手に橘さんの後を追った。
「凄い!部屋から海が見えるのね」
部屋の鍵をもらい、部屋に入るとすぐ目の前の窓から海が見える。
荷物を置いて窓を開けると、気持ちよい風が入ってくる。
「気持ちいいー」
いつもだったら、忙しく働いている時間。
「たまにはいいわね。こんな風にゆっくり過ごすのも」
「私も同じこと考えてたわ」
思わず橘さんと顔を見合せ笑ってしまった。
しばらく二人で窓から入ってくる風に当たっていると、橘さんが口を開く。
「...東野さん、早く来てくれるといいわね」
「えっ?」
意外な言葉に、橘さんを見つめていると耐えられなくなったのか、橘さんの頬がほんのり赤くなった。
「ほっ、ほら!片想い同士フェアじゃないでしょ?社内旅行なんて親密になれるチャンスだし!第一好きな人が一緒じゃないとつまらないって気持ち、凄く分かるから...」
もしかして...。
「もしかして橘さん、だからバスの中からあんなに私に話しかけてくれたの?」
私が寂しいって思わないように。
「私、自意識過剰だよね...」
学生時代もそれなりに恋愛してきた。
だからどうしても意識しちゃう。
もしかして翔ちゃんは、私のことが好き...なんじゃないかって。
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「おはよう櫻田さん。今年もよろしくね」
「えっ、えぇ」
昨日の夜、あまり眠れず。寝不足でせめてバスの中だけでも寝てようと思ったのに...。
なんでバスの中まで橘さんと隣の席なのかなぁ。
「ちょっと櫻田さんてば、私の話を聞いてる?」
「聞いてるわよ」
結局片道数時間、橘さんの藤原さん
への熱い想いをひたすら聞かされていた。
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「着いたー」
バスを降りると、聞こえてくる波の音と磯の香り。
毎年違うところへ行ってるけど、今年は熱海。
夏のこの時期、沢山の観光客で溢れていた。
やっと橘さんの隣から離れられた解放感に、両手を上げて身体をグッと伸ばす。
「櫻田さん!早く荷物を部屋へと運ぶわよ」
「...はーい」
そうだった。
部屋も一緒だったのよね。
何度目か分からない溜め息を漏らしつつ、荷物片手に橘さんの後を追った。
「凄い!部屋から海が見えるのね」
部屋の鍵をもらい、部屋に入るとすぐ目の前の窓から海が見える。
荷物を置いて窓を開けると、気持ちよい風が入ってくる。
「気持ちいいー」
いつもだったら、忙しく働いている時間。
「たまにはいいわね。こんな風にゆっくり過ごすのも」
「私も同じこと考えてたわ」
思わず橘さんと顔を見合せ笑ってしまった。
しばらく二人で窓から入ってくる風に当たっていると、橘さんが口を開く。
「...東野さん、早く来てくれるといいわね」
「えっ?」
意外な言葉に、橘さんを見つめていると耐えられなくなったのか、橘さんの頬がほんのり赤くなった。
「ほっ、ほら!片想い同士フェアじゃないでしょ?社内旅行なんて親密になれるチャンスだし!第一好きな人が一緒じゃないとつまらないって気持ち、凄く分かるから...」
もしかして...。
「もしかして橘さん、だからバスの中からあんなに私に話しかけてくれたの?」
私が寂しいって思わないように。