君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
橘さんが起こしてくれるっていうし。
そう思い、瞼を閉じるとすぐに眠りへと就いた。
ーーーーーーーー
ーーーー
...なに?
この暖かなぬくもりは。
目を覚まさなくちゃいけないのに、ずっとこのぬくもりを感じていたくなる。
頭に触れる優しいぬくもり。
翔ちゃんとは違うぬくもり。
一体誰...?
ゆっくりと瞼を開けると、すっかりと日が落ちてしまっ たのか、部屋の中は暗く、ベット横のライトの灯りだけが部屋を照らしてくれていた。
私、だいぶ寝ちゃったのかな?
ふと近くに人の気配を感じた。
なかなか慣れない視界に目を擦りながら気配を感じた方へと視線を向ける。
「...橘さん?」
「東野だ」
えっ...。その声って...。
慣れてきた目で声の主を見つめる。
「東野...さん?」
いるはずのない東野さんの名前を口にする。
だって東野さんは出張中で、明日にならないと来ないはずで...。
だけど私の瞳にうつるこの人は?
じっと見つめていると、東野さんは優しく微笑む。
「なんだ?まるで幽霊でも見るような目をして」
「だって...」
言葉が続かない。
だってよく考えてみて。
女嫌いの東野さんがこうやって自ら女の私と二人っきりになんてなる?
こんな風に近くにいてくれる?
「やだ。リアルな夢」
「は?」
でも夢でもいい。
東野さんとこうやって二人っきりでいられるなら。
「...倒れたんだって?」
「あっ、はい。ちょっと寝不足で..」
身体を起こし、東野さんを見つめる。
薄暗くてはっきりと東野さんの顔が見えない。
「暑さに弱いのか?エレベーターの中でも倒れたもんな」
「えっ...?」
嘘...。東野さん、覚えていてくれたの?
「なんだよ、櫻田は覚えてないのか?」
「いっ、いいえ!覚えてます!」
忘れられるわけないじゃないですか。
女嫌いの東野さんが、具合が悪くなった私に膝を貸してくれようとしたり、医務室まで運んでくれたり...。
一生忘れられないよ。
「そうか。俺も覚えてるよ。会社であんなトラブルに巻き込まれたことなんてなかったしな。...それに意外な櫻田との共通点も見つかったしな」
そう言って私に笑いかける東野さんに、思わず胸がキュンとする。
「...正直、最初はとんだ新入社員だと思ったよ。だけど違った。仕事が出来て真っ直ぐで。パーティーの時、三田社長の胸ぐらを掴んだときは、本当に驚いたけどな」
そう思い、瞼を閉じるとすぐに眠りへと就いた。
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...なに?
この暖かなぬくもりは。
目を覚まさなくちゃいけないのに、ずっとこのぬくもりを感じていたくなる。
頭に触れる優しいぬくもり。
翔ちゃんとは違うぬくもり。
一体誰...?
ゆっくりと瞼を開けると、すっかりと日が落ちてしまっ たのか、部屋の中は暗く、ベット横のライトの灯りだけが部屋を照らしてくれていた。
私、だいぶ寝ちゃったのかな?
ふと近くに人の気配を感じた。
なかなか慣れない視界に目を擦りながら気配を感じた方へと視線を向ける。
「...橘さん?」
「東野だ」
えっ...。その声って...。
慣れてきた目で声の主を見つめる。
「東野...さん?」
いるはずのない東野さんの名前を口にする。
だって東野さんは出張中で、明日にならないと来ないはずで...。
だけど私の瞳にうつるこの人は?
じっと見つめていると、東野さんは優しく微笑む。
「なんだ?まるで幽霊でも見るような目をして」
「だって...」
言葉が続かない。
だってよく考えてみて。
女嫌いの東野さんがこうやって自ら女の私と二人っきりになんてなる?
こんな風に近くにいてくれる?
「やだ。リアルな夢」
「は?」
でも夢でもいい。
東野さんとこうやって二人っきりでいられるなら。
「...倒れたんだって?」
「あっ、はい。ちょっと寝不足で..」
身体を起こし、東野さんを見つめる。
薄暗くてはっきりと東野さんの顔が見えない。
「暑さに弱いのか?エレベーターの中でも倒れたもんな」
「えっ...?」
嘘...。東野さん、覚えていてくれたの?
「なんだよ、櫻田は覚えてないのか?」
「いっ、いいえ!覚えてます!」
忘れられるわけないじゃないですか。
女嫌いの東野さんが、具合が悪くなった私に膝を貸してくれようとしたり、医務室まで運んでくれたり...。
一生忘れられないよ。
「そうか。俺も覚えてるよ。会社であんなトラブルに巻き込まれたことなんてなかったしな。...それに意外な櫻田との共通点も見つかったしな」
そう言って私に笑いかける東野さんに、思わず胸がキュンとする。
「...正直、最初はとんだ新入社員だと思ったよ。だけど違った。仕事が出来て真っ直ぐで。パーティーの時、三田社長の胸ぐらを掴んだときは、本当に驚いたけどな」