君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
とにかく東野さんに片思いをして早五年。


あの日以来、挨拶くらいしか言葉を交わしていない。


もう一生片思いだろうな。


そんなことさえ考えていたある日、突然転機は訪れた。


「……すみません、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか?」

「だから営業部の東野君が、部長に昇進したんだ。それで我が社の規則に則り、秘書をつけることになってね。…君に決まったんだよ。櫻田くん」


「はぁ…」


秘書…


誰の?

東野さんの?


部長昇進おめでとうございます!さすがです!


なんて言ってる場合じゃなくて!


秘書って…それってつまり私、大好きな東野さんと就業中、ずっと一緒にいられるってこと、だよね?


ずっと一緒…


「…えぇー!?」


部署内に私の大きな叫び声が響き渡ったのは言うまでもない。
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