君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「なによ、いい歳して恥ずかしがらなくてもいいでしょ?...まっ、取り合えず今日は、料理で東野さんの胃袋をゲットすることね。...その下着じゃ無理だろうし」


「ちょっと橘さん!そんなまじまじと見て、そんな目をして言わないでくれる!?」


哀れんばかりの眼差しを向けながら言うものだから、なんだか本当にそんな気がしちゃうじゃない。



「それじゃお先に。お土産楽しみにしててね」


いつものように言いたいことだけ言って、さっさと行ってしまった。


「...もう!」


...とは言うものの。


「下着...買って着替えて行ったほうがいいのかしら」


橘さんがあんなこと言うから気になっちゃうじゃない。


「...バカらしい」


東野さんはそんな人じゃないわ。

...そう思いたい。


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「おはようございます」


いつものように忙しい営業部。

みんなに挨拶をしながら奥へと進むが、東野さんの姿が見当たらなかった。


あれ?私の見間違い?

慌てて手帳を取り出し確認するが、今日は外回りの予定はなし。


「櫻田!おはようさん」


「いたっ」


突然背後から頭をグーでコツンと叩かれ、振り返ると、やっぱり藤原係長だった。


「痛いじゃないですか」


「嘘つけ。軽くだぞ?...っと、東野から伝言。副社長に呼ばれたから、悪いけどデスクにメモした仕事を頼むだってさ」


「そうですか...」


また副社長、か。橘さんが言ってた副社長の片付けておきたい仕事って、やっぱり東野さんが関係しているのかしら。


「それじや確かに伝えたからな」


「あっ、ありがとうございました」


手をヒラヒラと振りながら、藤原係長はデスクへと戻っていった。


「っと!私も急いで取りかからないと!」


自分のデスクへと行き、東野さんのメモを見ると、思わず『げっ』と言ってしまいたくなるような仕事量だった。


「とにかくやらなくちゃ」


それに今日は待ちに待った金曜日だもの。少しくらい辛くても頑張れるしね!


自分自身に渇を入れ、仕事に取りかかった。


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