君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
五年もの間、ただ姿が見られただけで舞い上がっていて…


でも私ももう27歳。


桜子の言う通り、このままじゃ片思いで終わっちゃう。

翔ちゃんの言う通り、当たって砕けるくらいの気持ちを持たなくちゃ!

頑張れ私!!


「……とは、言ったものの…」


ただ今の私、営業部のドアの前で立ちすくむこと軽く5分。


どうしてもなかなかドアをロックすることが出来ずにいた。


だってまず第一に東野さんに会うのがドキドキしてしまうっていう幼稚な理由と、それと―…


営業部って男だらけの職場で妙に入りづらい雰囲気があるっていうか…
うん。入りづらいんだよね。


「…おい、早く中入れ邪魔だ」


……!!


1人悶々としていると、私の背後から伸びてきた手によって、あれほど悩んでいた扉がいとも簡単に開かれてしまった。


そして私を追い抜き、前へ進む人物から、ひそかに鼻をかすめたのは私の大好きなあの時のままの香り。


「よっ!部長待ってましたぁ!」


「今日はまた一段と男前っすね!」

……え?


そして扉の向こう側から聞こえてきたのは、男達の黄色い声…?

って!東野さんになんて言葉を言ってるの!?
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