君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
あれからひたすら飲んで笑って。
気付いたら、自分のベッドの上だった。
「...あれ?」
覚醒しきれていない頭を、どうにかフル回転させて思い出す。
頭が痛い...。そうだ、昨日は確か沢山飲んで...。
起き上がりリビングへ行くと、いつものように翔ちゃんが朝食の準備をしていた。
「おはよう翔ちゃん」
ふらふらとリビングのソファーに横たわる。
そんな私に気付いた翔ちゃんは火を消し、心配そうに来てくれた。
「菜々子大丈夫か?昨日、だいぶ酔ってたけど...」
「翔ちゃん、私さ昨日どうやって帰ってきたか知ってる?」
「...覚えてないのか?」
「うん。気付いたらベッドの上だった」
そう言うと翔ちゃんは呆れたように笑い、私の隣にそっと腰かける。
「菜々子一人で帰って来たよ。ちゃんとした足取りでな」
「嘘」
「本当。まぁ、相当酔ってはいたみたいだったけど。ちゃんとシャワー浴びて俺におやすみって言って寝たぜ?」
「そっか...。なら良かった」
橘さんや藤原係長に送って貰ったわけじゃないなら。
それに、二人のおかげで頭は痛いけど、気持ちはスッキリした気がする。
「今日送っていこうか?その調子だと電車じゃ辛いんじゃないか?」
「本当に?...翔ちゃんが大丈夫ならお願いしちゃおうかな」
「了解。じゃ早く準備しちまいな。朝御飯用意しておくから」
「うん!」
そう言ってキッチンへと戻る翔ちゃんの後ろ姿を見送りながら、私もゆっくりと起き上がり、顔を洗いに洗面所へと向かう。
冷たい水で顔を洗うと、一気に目が覚めた。
「ふー...。さっぱりした」
タオルで顔を拭きながら、鏡に写る自分の姿。
「...私、今日大丈夫だよね?」