君が好き。～完璧で女嫌いなカレとの恋～

「今の俺には菜々子が必要だから。...奈津美とはもう関係ないし、付き合いがあったとしても、それは仕事上だけだから。...これだけは、どうしても言いたかったから」


「東野さん...」


「圭吾さん、だろ？」


そう言って私の頭を撫でる東野さん。東野さんの手は私の頭を優しく撫でてくれて。
ぬくもりが温かくて...涙が溢れた。


「菜々子...？」


「ごめんなさい。...私、東野さんと大貫さんが昔付き合っていたって知ってました」


「えっ？」


「相田さんに聞きました。...東野さんが本気で好きになった人だって。だけど別れてしまってそれから女嫌いになったって」


「優の奴か...」


「それに、偶然見てしまったんです。お見合い写真の中に紛れていた、東野さんと大貫さんが二人で写っている写真を」


「写真、なんてあったのか？」


「はい...」


東野さんは私の話に驚いた様子。


「そうか...。写真、全部捨てたと思ったんだけどな。まだあったんだな」


「ごめんなさい。見たこと黙っていて...」


「いや、俺の方こそごめん。カッコつけずにもっと早く話すべきだったな」


そう言ってまた東野さんは私の頭を優しく撫でてくれた。
「...昨日、嘘をつかれた時、正直凄くショックで悲しかったです。私はどんなことでも、ちゃんと東野さんの口から聞きたかったから。...だから今は凄く嬉しいんです。過去を話してくれて」


「菜々子...」


「前にも言いましたけど、私はどんな東野さんも大好きです。これだけはずっと変わりません。...だから、これからも何があっても、私にだけは本当のことや、本当の気持ちを話して欲しいです」


これが本当の気持ち。

私はどんな東野さんでも大好きだから...。


悔しいけど、絶対東野さんを嫌いになんてなれないから...。