君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「規則だかなんだか知らねぇが、俺は営業に女は必要ないって思ってる。秘書なんて必要ないしな。自分のスケジュールくらい自分で管理出来る」


そう言うと東野さんは立ち上がり、部署内の一番奥にある給湯室を指差した。


「まぁ、規則は規則だからな。形上だけでも櫻田には営業部にいてもらわなくてはならない。だからって俺には女のお前が近くをうろうろされたら目障りで、仕事が出来ない。イコールお前の職場はあそこだ」


「……へ?」


あそこって…


東野さんの指差す先を見つめると、そこは給湯室…つまりイコール…


「つっ、つまり…私はお茶係ってことですか?」


引きつった笑顔で問い掛けると、東野さんは笑顔で頷いた。


「さすが櫻田。頭の回転早いな。そんなわけだからよろしく」


そう言うと東野さんは背広片手に部下を連れ、営業部を出ていってしまった。


……どうしたものだろうか。

いきなりの放置プレイ…

いや、必要ないって…


いくら好きな人だからって私もさすがに今の言葉は、頭にきた。


かと言って…


チラッと周りを見回すと、皆せっせと働いていて声を掛けられるような雰囲気じゃない。
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